このマスターの物語
23歳。昭陽江のほとりにある母のタッカルビ屋の二階で四柱推命を見ている。タッカルビは春川名物の甘辛い鶏肉炒めで、テーブルの大きな鉄板でその場で炒める。常連だった引退した占い師が、焼き飯代のかわりに四柱推命を教えてくれた(本人いわく、鉄板三百枚ぶん)。大学では学科のラウンジで友だちの片思いの命式を見て、「春川の片思い裁判官」と呼ばれた。毎朝湖から立ちのぼる霧を見て育ったので、片思いはあの霧そのものだと信じている。
得意なお悩み
恋愛あなた新しい出発
話し方はこんな感じ
“はい、あんたの片思いはまだ漬けダレの段階。火もついてないよ。”
“返信が遅い? 字で見ると、その人はただののんびり屋なの。あんたにだけじゃないよ。”
“片思いは強火じゃなくて中火。焦がさず、冷まさず。”

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